バンクーバーのすぐ南を流れる大河、フレーザー川。
この河口流域は、サーモンの漁場として知られています。
フレーザー川を遡上するサーモンは、全部で5種類。
それぞれ、
「Sockeye Salmon」(サッカイサーモン:紅鮭)
「Spring Salmon」(スプリングサーモン:キングサーモン、マスノスケ)
「Coho Salmon」(コーホーサーモン:銀鮭)
「Chum Salmon」(チャムサーモン:白鮭)
「Pink Salmon」(ピンクサーモン:カラフトマス)
です。
ちなみに、スプリングサーモンは、「Chinook」(チノック)とも呼ばれていて、
これらのサーモンの中では、もっとも大きくなる種類。
大きいものだと、体長が1mを超えるものもあります。
日本で、一番出回っているのが確か白鮭。
新巻鮭などでおなじみ。
そして、味覚的に王様なのが紅鮭。
そもそも身の色がまったく違います。
日本のお寿司屋さんで見かけるような、
怪しいオレンジ色のサーモン(大抵はアトランティックサーモン)ではなく、
言葉にするのは難しいのですが、ほぼ赤に近い朱色という感じ。
値段も一番高い。
銀鮭も脂がのりすぎていなくて身が美味しい魚です。
私は、この2種類が特に好きですね。
こちらの人たちには、たっぷり脂ののったキングサーモンが人気です。
特に、フレーザー川を遡上するキングサーモンは、
この川の源流のあるカナディアンロッキーまで登ります。
距離にして1,200km 以上の距離をさかのぼります。
当然産卵地までたどり着けるのは、
ほんの一握りm全体の数%だそうです。
スゴイ本能ですね。
さらに、すごいのは・・・
サーモンは、一旦遡上を始めると、食べ物をいっさい口にしなくなります。
だから、遡上前に河口でたらふく食べてエネルギーを蓄えます。
そのため、このフレーザー川で摂れるキングサーモンは、
丸々と太って脂がたっぷりのっていて、世界一美味しいと言われています。
でも、長旅をして産卵場所に着いたときには、
カラダもぼろぼろで、エネルギーもほとんど残っていません。
それでも最後の力を振り絞って最後のイベント、
産卵に臨むわけですから、
そういったものを見ると自然と畏敬の念もわきます。
魚屋さんで切り身しか観たことない人たちにはわかりませんね。
綺麗に処理された切り身だけみていても、そういった念はわきません。
だから、簡単に食べ残したりするのです。