9月30日は、カナダの祝日です。
正式には、
National Day for Truth and Reconciliation
(真実と和解の日)
という名称がつけられていますが、
長いのと、もともとオレンジシャツデー
という名称が定着していたので、
一般的にも、オレンジシャツデーが通っています。
この祝日は、2021年に制定されたばかりで、
バンクーバーのある西海岸の州、
BC州は、2023年から法定祝日となりました。
カナダは、各州に国家に近いくらいの権限があるので、
祝日も、州によって違う日があります。
それでも、公正を保つために
年間を通しての日数は国全体で同じになっています。
そしてこのオレンジシャツデー、
明るい感じですが、実は全く逆で、
過去にあった先住民への虐待に対する
反省と追悼の意を込めて設けられた日です。
祝日とは言い難い記念日ですが、
先住民の同化政策と称されるこの政策、
1830年から、なんとつい最近の1990年まで
政府とカトリック教会によって行われてきました。
その時に、強制的に寄宿学校に入れられた
大勢の子供たちが、虐待などによって亡くなりました。
最近になって、寄宿学校の跡地からこの子供たちの遺骨が
何千人と見つかりました。
第二次世界大戦中にドイツによっておこなわれた
ホロコーストに近い、文化的ジェノサイドです。
これについて、2008年に、
当時のカナダ首相 ハーパー首相が正式に謝罪をしています。
現在では、先住民たちは税制など
色々な面で非常に優遇されていて、
以前に比べれば、とても生活は楽になってきましたが、
人種差別的ないじめなどは、残っているところもあり、
また彼らの生活も、決して裕福とは言い難いです。
彼らには不可侵の土地があって守られていますが、
見かたを変えると、そこに押し込められているともとられます。
カナダは移民の国で、世界中から様々な人種の人たちが移住しています。
先住民も、その多人種の1民族として
他の人たちと、同じように暮らせたらいいのかな、
とも思いますが、
もともとは、彼らが長い年月住んでいた土地を
奪ってできた社会が現在なので、かなり難しいです。
この祝日を持って
これらの事を忘れないようにするための指標です。